コリン・キャンベル『WHOLE(ホール)』

たいへん興味深い意義深い本が出版されました。

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コリン・キャンベル著/鈴木晴恵監修『ホール WHOLE』ISBN978-4-909249-26-5 ユサブル2020年2月4日刊 (本体2500円+税)

欧米のヴィーガンたちに広く知られるPBWF(プラントベース・ホールフード)食の考えかたが、この本を読むと分かります。チョイスの鈴木先生がここ数年専念しておられたこの本の全訳がやっと完成し、平易な日本語で読めるようになりました。製薬会社などの医療産業や、食肉産業の都合に合わせた経済構造に、真っ向から対決し、しかも科学的なエビデンスを提示しながら説得力のある叙述が展開されています。振り返って、仏教の伝統が教える「薬事」という言葉は、経口の栄養すべてを意味します。節度をもって摂取される食事はすべて薬に分類されていて欲求を満たすためだけの食事は存在しません。まさしくこれは「プラントベース・ホールフード」なのです。欲求があるとしたら「命を育み少しでも他人の役に立ちたい」という慈しみだけです。近代医学という名前を妄信してはいけない。医学が悪い訳ではなく巨大な産業構造と結びついた時にそれは我々をまったく間違った方向に導くことがあるのです。