エッセイ(仙人のひとりごと)

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幼稚園から焼き芋のお裾分け

私が館長をしている大学附属のミュージアムのお隣りの敷地に同じく大学附属の幼稚園があって、そこでは毎年この時期に焼き芋大会がおこなわれます。今日はそのお裾分けを頂戴しました。私は以前にその幼稚園の園長を数年していました。幼稚園の庭ではお芋を栽培していて園児たちが水やり等の世話をやいています。時期がくると芋掘りをし焚き火をして焼き芋にして食べるのです。 続きを読む

新刊:船山徹著『梵網経』

京大人文研・船山徹先生が永年従事されてきた梵網経研究が纏められ『東アジア仏教の生活規則 梵網経 最古の形と発展の歴史』と題して臨川書店から出版されました。これはかなり専門的でかたい研究書ですので、ここで文献学的な価値やら意義については述べませんが、内容的にヴィーガンの人にとって面白い話題が扱われていますので、その点だけをご紹介します。  続きを読む

釈尊公認のジュース

ひと月程前から新しい趣味を始めました。私の専攻しているチベット学の大先輩に河口慧海という人がいて、その人は戒律堅固な僧侶で一生独身でしたし食事は精進を貫きしかも午後に固形物を摂らない「非時食戒」を守っていました。私も遅まきながら彼に倣って還暦以降は精進食生活に切り替えましたし、不飲酒にしていましたが、新たな趣味として、さらにハードルを上げてひと月に6回ある「六斎日(ろくさいび)」には午後から次の日の夜明けまでに固形物の食事を摂らない「お斎限定非時食戒」を実践してみようと思いつきました。 続きを読む

大還暦を目指そうかと

先日増野充洋という人の書いた『仙人の生き方』という本を読んでいたのですが(つまらん本を読むなと突っ込まれそうですが)、副題に「大還暦120歳へのヒント」というキャッチが付いていて、還暦(60歳)を過ぎた私のあらたな目標が出来ました。120歳を「大還暦」と呼ぶんだそうです。 続きを読む

河口慧海師の精進食生活

チベット探検で有名な河口慧海師(1866-1945) は、元は黄檗宗に所属する僧侶でしたが、やがて黄檗宗を離れ、晩年には在家仏教協会という団体を設立して独自のスタイルで仏教伝道に励みました。臨済宗妙心寺派の名僧であった山田無門老師が修行の道に飛び込んだのは、河口慧海師の説く『入菩提行論』の講義を聞いて感動したことが契機だったと言われます。無門老師が惹かれたのは河口師の生活態度そのものであったと後に語っています。 続きを読む

白隠禅師の秘密の鍋

 最近わたくし阿亜蕃仙人はティーバッグになった「桑の葉茶」を愛飲しています。栄西禅師の影響です。影響受けやすいのです。12世紀末から13世紀初頭にかけて活躍した栄西禅師は『興禅護国論』等の重要な仏教書を著していますが、その栄西禅師が茶の効用について書いた『喫茶養生記』は日本の茶の歴史を考える時には極めて重要な書と言えます。しかし、この『喫茶養生記』の下巻の内容については一般にはあまり知られていません。喫茶の効用について述べる上巻とは違って下巻では桑の葉の効用について述べています。桑粥や桑茶、あるいは桑枕など、褒め過ぎじゃないかと思えるほど桑を誉め称えています。 続きを読む

「捨て身」と「捨身」は違うのか

去年の暮れ(2013年12月)に『仏典はどう漢訳されたのか(スートラが経典になるとき)』という本を出版し評判になっている京大人文研の船山徹先生は、10年ほど前に「捨身の思想(六朝佛教史の一断面)」『東方学報京都74』(2002)と題する学術論文を発表されています。最近この論文を読み返す機会があって読んでいて、以前には気にならなかったことが気になってきました。
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